セラミドとは?美肌のために知りたい「肌バリア」とトラブルの関係
- ・肌の健康に重要な「バリア機能」とは?
- ・セラミドが不足したらどうなる?
- ・セラミド不足の見極め方と摂取方法
- ・バリア機能を助けて、健康的な肌へ
乾燥肌や敏感肌、季節の不調。丁寧にケアしていても肌がゆらいでしまう…そんな経験はありませんか?
実は、こうした肌の不安定さの背景には「肌のバリア機能」の低下が関係している可能性があります。
そのバリア機能を支える重要な成分が「セラミド」です。
今回は日野皮フ科医院 院長・日野亮介先生に、セラミドの役割や使用方法について教えていただきました。
日野亮介先生
医学博士。日本皮膚科学会認定皮膚科専門医。「日野皮フ科医院」院長。産業医科大学医学部卒業後、同大学皮膚科学教室に所属し、講師・病棟医長・外来医長を歴任。乾癬やアトピー性皮膚炎などの慢性皮膚疾患の診療・研究に従事し、学会活動を通じて地域医療の発展や後進育成にも尽力。全国から患者が来院し、国内外のメディア出演多数。
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肌の健康に重要な「バリア機能」とは?
私たちの肌は日々、紫外線やウイルスなど、さまざまな外部刺激にさらされています。
それらの外部刺激から肌を守り、水分の蒸発を防ぐ役割として、肌には「バリア機能」が備わっています。バリア機能が保たれることで、肌のコンディションが安定しやすくなります。
そのバリア機能を担っているのが、肌の一番外側にある「角質層」です。
角質層は、角質細胞がレンガ状に並び、その間に「スキマ」があります。このスキマは「細胞間脂質」と呼ばれ、角質層で重要な役割を果たしています。

細胞間脂質の主成分はセラミドでできているため、セラミドは角質層の要。ひいては肌バリアを支える重要な成分と言えます。

日野先生:角質細胞と細胞間脂質について、わかりやすく「3匹の子豚」に例えてみます。
怠け者の長男と次男は木や藁の家を建てましたが、もろくて壊されてしまいました。
一方で、三男はレンガの頑丈な家を建て、オオカミの攻撃を防いだというお話ですね。
角質細胞が「レンガ」だとすれば、その間を埋めている「モルタル」が細胞間脂質です。

例えレンガ造りであっても、モルタルが不足していたり、質が悪いモルタルを使うと家が崩れてしまいます。これではオオカミ(=外部刺激)に対抗できませんよね。

それに対し、しっかりとしたモルタルで家を建てれば、オオカミ(=外部刺激)がやって来ても家は飛ばされません。丈夫な家にはモルタルが必要なように、その主成分である「セラミド」が非常に重要なのです。

セラミドが不足したらどうなる?
セラミドが不足すると角質層が乱れ、肌バリアが低下します。
その結果、乾燥肌やハリの低下といった、肌のコンディションが乱れやすくなります。
日野先生:セラミド異常の方の皮膚から、セラミドの量や質に変化が見られることが分かっています。
セラミドが不足すると保湿力が落ちバリア機能が低下してしまいます。
近年の研究では、皮膚が健康的だと、セラミドは量・質ともに安定することが明らかになってきました。
セラミド不足の見極め方と摂取方法
セラミド不足やバリア機能の低下は、どのように見極めれば良いのでしょうか。
日野先生:実際に皮膚を見て触ることである程度の状態は判断できますが、「セラミドが不足している」ということを明確に判定できる方法は、正直なところ存在しません。
ただ、セラミド不足の人は「乾燥肌」であることが多いです。乾燥肌の方は、一度セラミド不足を疑ってみてもいいかもしれません。

セラミドを補充する場合、「塗るアイテム」と「飲むアイテム」がありますが、どう選べば良いのでしょうか?
日野先生:セラミドは角質層に存在するため、化粧品などで外側から補う「塗るセラミド」は直接アプローチができます。
一方で「飲むセラミド」は、セラミドを作るための材料を補充し、肌環境を整えることで内側からサポートできるという利点があります。
つまり、セラミドは「塗って良し、飲んで良し」の成分です。
バリア機能を助けて、健康的な肌へ
肌のバリア機能について紹介してきましたが、皮膚は顔だけでなく、全身を覆う大事な臓器のひとつです。
そんな肌のバリア機能を助けることは、健康的で美しい体作りにつながります。
日野先生:セラミドは皮膚のバリア機能をサポートする存在です。「予防的ケア」としての価値は非常に高いと期待しています。
そしてセラミドは、年齢や背景にかかわらず、どなたでも比較的安全に飲めるというのもメリット。幅広い方に、継続的に飲むことをおすすめします。
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肌の健康に欠かせない存在の「セラミド」。
セラミドを美容成分としてだけでなく、毎日の健康を支える存在として、ぜひ取りいれてみてはいかがでしょうか?

【参考文献】
本記事の作成にあたり、以下の論文を参照しました。
①平河聡ほか「米胚芽エキス配合粉末顆粒の摂取による 全身の皮膚バリア機能に対する改善効果」 薬理と治療 vol.41 no.11 2013年
②吉野進ほか「パイナップル由来グルコシルセラミド摂取による 肌のくすみおよび乾燥を感じる健常日本人男女に対する皮膚機能改善効果 ―ランダム化二重盲検プラセボ対照並行群間比較試験―」 薬理と治療 vol.43 no.11 2015年
③向井克之ほか「こんにゃくセラミド含有食品の摂取による 肌の保湿性をはじめとする肌諸症状改善試験 ―無作為化二重盲検プラセボ対照並行群間比較―」 薬理と治療 vol.46 no.5 2018年
④Takahashi T, et al. "Effect of Oral Intake of Glucosylceramide from Rice on Skin Function ―A Randomized, Double-blind, Placebo-controlled, Parallel Group Study―" Jpn Pharmacol Ther 2023;51:1551-7






