気付きづらい「男性更年期」。不調のサインと改善方法とは?
- ・30・40代から「男性更年期」の可能性も
- ・筋トレが効果的!症状を改善する「生活習慣」
- ・男性更年期を「内側」からケア
- ・パートナー、家族ができるサポートとは?
「最近やる気が出ない」「イライラしやすい」、そう感じている40代以上の男性の方、それは「男性更年期」のサインかもしれません。
「更年期」は、女性だけのものと思われがちですが、実はホルモンの変化により、男性にも不調が現れることも。
今回は男性更年期の診療を多数行う『くぼたクリニック松戸五香』院長・窪田徹矢先生に、正しい知識と対処法を伺いました。

窪田徹矢 先生
『くぼたクリニック松戸五香』院長。内科、皮膚科、泌尿器科の他、男性更年期治療をはじめとしたメンズヘルス外来を行う。著書「EDかな?と思ったら読む本」(自由国民社)、YouTubeなどSNS発信も人気。
くぼたクリニック松戸五香|公式サイト
30・40代から「男性更年期」の可能性も
──「男性更年期」とは、どんなものでしょうか?
窪田先生:男性更年期とは、男性ホルモンである「テストステロン」が低下することで、心身に起こる不調のことをいいます。
男性ホルモンの量は、20代をピークに、加齢にともなって下がっていきます。
男性更年期になる方は50代以上が多いですが、30代後半〜40代で症状が出る方もいらっしゃいますね。
──30・40代でも発症するとは、知らない方も多そうです。
具体的にどんな症状が現れますか?
窪田先生:男性更年期は、「身体面」「メンタル面」「性機能面」の3つの面で症状が現れます。
身体面に関しては、疲れやすい、筋力の低下、体脂肪が増加して太りやすいなどが挙げられます。
メンタル面では、イライラしやすくなったり、汗をかきやすくなったり、不安を感じたりと、うつに似た症状に。
性機能面では、ED(勃起障害)や、性欲の低下などがみられます。
これらの症状が出ている場合は、男性更年期の疑いがありますね。
*①と⑦にチェックした場合、または3つ以上チェックした場合は男性更年期の可能性あり。
──先生のクリニックでも男性更年期に関する相談は多いですか?
窪田先生:多いですね。なんとなく不調を訴えて受診されるというより、「男性更年期」という言葉を知って来院される方がほとんどです。
例えば、うつのような症状かと思い心療内科を受診したものの、そこでは診断にいたらず、「男性更年期かも?」と思って受診したという方や、ネットで男性更年期について調べてから来院される方が多いです。
私自身、YouTubeで男性更年期について発信しているので、その動画をご覧になってから来院される方も多いですね。
──クリニックではどのような治療をするのですか?
窪田先生:まずは男性ホルモン量の数値チェックをします。大きく不足していると分かれば、男性ホルモン注射で補充していきます。
また、日常生活のなかで、男性ホルモンを高めるための生活改善のアドバイスをさせていただきますね。
筋トレが効果的!症状を改善する「生活習慣」
──改善/予防するための生活習慣について教えてください。
窪田先生:日常生活の中では、「男性ホルモンを高めること」と「リラックス習慣」を意識しましょう。
男性ホルモン(テストステロン)を高める方法としては、筋トレが効果的。
テストステロンは筋肉量に比例しているため、筋トレを習慣化することでテストステロン量をアップすることができます。
よく筋トレにハマる経営者の方がいらっしゃいますが、それは活力を生み出すためかもしれませんね。
筋トレの目安は1回30分、週3回程度の軽いトレーニングが理想的です。
注意点としては「有酸素運動」は軽めにするということ。ハードな有酸素(フルマラソン、トライアスロンなど)は、かえって体力を消耗させ、テストステロン値を下げてしまうことになります。軽いジョギング程度であれば問題ないでしょう。
年齢を重ねると運動不足になる方も多いので、男性更年期ケアの観点からもぜひ筋トレや、軽い運動を習慣化したいですね。
リラックス習慣としては、「十分な睡眠」や「ストレスケア」などが有効です。
睡眠不足になると男性ホルモンが下がりやすくなるため、1日7時間以上の睡眠を意識して確保したいところです。
また、睡眠の質も大事なポイントです。
寝室はなるべく真っ暗にして、気温や湿度を一定に保ち、心身ともにリラックスしやすい睡眠環境を整えましょう。

次は「ストレスケア」について。
男性ホルモンはストレスに大きな影響を受けます。多忙によるストレスは不調を引き起こしやすいため、常に時間に追われている方やストレスフルな生活をしている自覚がある方は、特に注意しましょう。
ストレスケアには、副交感神経を優位にさせることを意識しましょう。
特に効果的なのが「湯船に浸かる」こと。シャワーだけで軽く済ませる方も多いと思いますが、38度くらいのぬるま湯に、30分くらいゆっくり浸かってリラックスしてみましょう。
特に男性は、日々刺激にあふれる生活を送っていると交感神経が優位になりやすいので、副交感神経を優位にしてリラックス環境を作ることがとても大事だと思います。
男性更年期を「内側」からケア
──次はインナーケアについて。症状の予防/改善に効果的な栄養素とは?
窪田先生:男性ホルモンの合成を促してくれる「亜鉛」「マカ」が効果的です。
亜鉛は牡蠣、牛赤身肉などに含まれていますが、食べ物から十分な量を摂ることが難しいため、サプリメントで効率的に摂取しましょう。マカも同様です。
日常的に意識して摂りたいのが「マグネシウム」です。
これも男性ホルモンのサポートをしてくれる成分で、大豆製品やナッツ類などに豊富に含まれています。
そのほかに「ビタミンD」と「ビタミンC」も重要な栄養素です。
ビタミンDは男性ホルモンの分泌に関与し、健康維持に欠かせません。
そしてビタミンCは、多忙になると体内で大量に消費されるため、どうしても不足しがちになります。
どちらも活力のある日々を支えてくれるため、意識して摂りたいですね。
クリニックではLypo-Cを取り扱っています。
ビタミンがリポソーム化されているため、吸収率が高く、胃腸への負担が少ないことがメリットです。
私自身も愛用していて2~3包をまとめて飲むことが多いです。飲み始めてからは体調が良く、診療中でも集中力が持続しやすくなったと感じています。
パートナー、家族ができるサポートとは?
──もし当事者以外の方、パートナーや家族ができるサポートはありますか?
窪田先生:男性は「体の不調」を感じても、プライドや、病気を認めたくないという気持ちから、そのまま放置してしまう傾向があります。
もしパートナーやご家族の様子が「男性更年期かもしれない…」と感じたら、本人の気持ちを傷付けないように、やんわりと受診を促してみてください。
実際に、男性更年期の患者さんの多くは、パートナーやご家族から勧められて来院されることが多いです。
窪田先生:メンタルや性機能の不調を「恥ずかしい」と感じる男性は多いですが、体の不調は恥ずかしいことではありません。
私もこれまでたくさんの患者さんを治療してきましたが、今まで不調に悩まされていた方が、治療することで生活の質が改善した例を数多く見てきました。
体の変化に向き合うことは、これからの人生をより快適で豊かにできるヒントにもなります。
ご本人はもちろん、パートナーやご家族で「もしかすると?」と思ったら、最寄りの心療内科や泌尿器科に足を運んでみてください。







