冷えを感じる季節に、知っておきたいこと 「体質」だけでは片付けられない、「鉄」というアプローチ
- ・「冷え性は季節や体質」と、当たり前に受け止めていませんか
- ・不調を感じながらも、特別な対策をしない人が半数以上
- ・背景の一つとして、鉄を含む栄養状態との関係が注目されています
- ・冷えは、今の自分のコンディションを見直すきっかけに
冬になると、手足の冷えや寝つきの悪さ、朝のだるさを感じる──。そんな不調を「冬だから」「体質だから」と受け止め、毎年やり過ごしてはいないでしょうか。
冷えは多くの人が経験する身近な不調でありながら、その背景や向き合い方について、十分に立ち止まって考える機会は多くありません。医師監修のもと、冷えを感じやすくなる背景の一つとして注目されている鉄を含む栄養状態との関係に着目し、冷えを別のアプローチから整理します。
冷え性は「仕方ない」?
冷えは、季節や体質の影響を受けやすく、感じ方にも個人差があります。そのため、明確な原因を探ることなく、「毎年のこと」「自分は冷えやすい体質だから」と、日常の一部として受け止められがちです。
全国の20代〜60代の女性を対象に行った「冬に悪化しやすい冷え性の実態と認識に関する調査*」では、冷えを自覚している人の多くが、睡眠の質の低下や疲れやすさなど、生活への影響を感じていることが分かっています。それにも関わらず、冷えを自覚している半数以上の人が「特に対策をしていない」と回答しています。
不調は感じているけれど、どう向き合えばいいのか分からない。冬だし冷えてしまうのはしょうがない。冷えは、そんな曖昧な位置づけのまま、後回しにされやすい不調なのかもしれません。
*※2025年12月10日実施
株式会社スピック調べ(全国の20〜60代女性1,000名対象)「冬に悪化しやすい冷え性の実態と認識」に関する調査


冷えを感じやすい状態とは?
冷えを感じやすくなる背景の一つとして、鉄を含む栄養状態との関係が指摘されています。
「鉄は、ヘモグロビンの材料として全身に酸素を運ぶ役割を担っており、熱を作るエネルギー代謝を支えています。鉄が不足すると体温が上がりにくく、冷えを感じやすい身体になるため、鉄は冷え性改善の鍵となる栄養素です」(橋本医師)
冷えと鉄の関係は、まだ一般的に広く知られていないため、冷えを「体質」や「季節」だけの問題として捉えている人も少なくありません。


冷えを別視点から考える
冷えの原因として多く挙げられるのは、「体質」や「冬の寒さ」といった外的要因です。しかし、それだけで片付けてしまうと、体の内側の状態に目を向ける機会を逃してしまうことにもなります。
橋本医師は「鉄不足も冷え性の重要な一因です」と指摘します。
冷えを「体質だから」「毎年のことだから」と受け止めるのではなく、今の生活や栄養状態が自分の体にどのような影響を与えているのか、視点を切り替えて考えてみることが大切です。
例えば、忙しさから食事が簡単になっていないか。
疲れを溜めたまま一日を終えていないか。
栄養を「摂っているつもり」でも、その摂り方やタイミングが、今の自分の体調に合っているかどうか。
冷えは、突然あらわれる不調ではなく、日々の積み重ねが静かに表れているサインとも考えられます。だからこそ、特別なことを始める前に、いつもの食事や生活を、少しだけ丁寧に振り返ってみることが大切です。
冷えと向き合うために、できることから
冷えを感じたからといって、すぐに特別な対策を始める必要はありません。まずは、日々の生活のなかで、体を冷やしやすい習慣が続いていないかを振り返ってみましょう。
「冷え性の対策として、鉄分をきちんと摂ること。ショウガとシナモン、冷たいものを控えて起床時には白湯を飲むなど、お腹を冷やさないことや適切なカロリーを摂取することも大切。ただし、食事だけでは十分に吸収できない人も多いため、サプリメントを取り入れる方もいます。冷え性を体質として諦めるものではなく、原因を知り、自分に合った対処を行いましょう」(橋本医師)
冷えを「当たり前」にしない
冷えは、多くの人が抱えながらも、後回しにされやすい不調です。
だからこそ、「仕方がないもの」と片付ける前に、栄養や生活習慣、日々のコンディションを見直してみる価値があります。
冷えをきっかけに、今の自分の体と向き合う。
その小さな意識の変化が、これからの心地よさにつながっていくはずです。
PROFILE
橋本 知子医師
臨床分子栄養医学認定指導医
高濃度ビタミンC点滴療法認定医
自身の乳がんをきっかけに分子栄養学に出会う。クリニックでは、分子栄養学的な検査や、カウンセリングを行い、病院に行くほどではないけれど不調を抱えている患者の治療に当たっている。

