すぐ隣は世界。 – Healthcare on the Planet – vol.1 バイロンベイ編
- ・vol.1 バイロンベイ編
今回より連載が始まります”すぐ隣は世界 - Health on the Planet -”。世界各都市の文化や食生活を通して見えてくる、世界のヘルスケアに関するトピックをご紹介します。第一回はオーストラリアの都市、バイロンベイです。
2019年7月、1年半ぶりに降り立ったゴールドコースト空港は温かく迎えてくれた。
この連載が始まるにあたり、海外のヘルスケア事情に興味がある私はすごくワクワクしている。日本にはない健康観、そしてヘルスケア文化が各国にある。医療としても、治療や予防医学などの選択肢も日本とは異なり、その背景には税金や保険制度などによる違いも垣間見える。
日本からの海外旅行者は1960年には12万人から、2018年には約150倍の1894万人となった。インターネットが普及した今、遠い世界の情報もすぐに手に入る。物質的にも体感的にも、世界はすぐ隣である。
筆者の私は、ライフワークであるヘルスケアへの興味から、7年間の社会人経験後、自然医療を学ぶためオーストラリアのカレッジに1年半の留学を経験した。今回のホリデーは、その街でヘルスケアを改めて考える良いきっかけとなった。
私が留学した街はバイロンベイというゴールドコースト空港から車で1時間の場所にある街。隣の地域を含めて3万人という人口のこのエリアには、ハリウッド俳優などの超富裕層と呼ばれる人たちから海外の留学生までが混在するように住んでいる。多くの人に共通しているのは自分の健康に対して意識を向け、ライフスタイルを自分の価値観でチョイスしていること。
例えば街のシンボルである灯台には、朝6時からウォーキングをする人で溢れ返る。灯台を登り切るまでにイルカやクジラとの遭遇、運がよければコアラなどの野生動物と会える。そして帰り道には冬でも海で泳ぐ人の姿がある。コーヒーを飲みにカフェに立ち寄ると、6時からオープンして若者で溢れ返る店内は活気に溢れている。ヨガ、ピラティス、ランニング、サーフィン・・・当たり前のように日常にスポーツを取り入れる姿がある。自然医療(代替医療)の施設も街でよく見かけ、ホメオパシー、ナチュロパシー、アーユルヴェーダなどが盛んで、それに基づいたレメディ(薬のようなもの)、そしてセラピーなどが受けられるスパも多く存在する。
「ヘルスケアとは、ライフスタイルである」
この場所にいると、その言葉がピンとくる。しかし、日本で社会生活を送っている私達がこの言葉にハッとするのは、きっと自分の身体に不調を感じたときではないだろうか。
オーストラリア全土の医療について調べてみると、国民みんなが入る保険以外にパーソナル保険が一般的になっているという。その保険は、私立病院での診察費のカバーの他、代替医療と呼ばれる自然療法のマッサージやアロマセラピーなども上限はあるがカバーされるというもの。不調になってから病気と気が付くのではなく、自分が一番心地よい状態を自分で作る。そんな積極的なヘルスケアの価値観が窺える。
きっと私達も、ヘルスケアに対してもっとクリエイティブになれる。それは、休みの日にアウトドアを楽しむことかもしれない。出勤前に少しアクティビティを取り入れてみることかもしれない。隣の国を近くに感じることができるいま、自分の中の健康観を広げる旅は始まったばかりだ。






