日本に学ぶ癒やしと綺麗の智慧 Vol.1 島根県・出雲
- ・良縁をたぐり寄せるたおやかな神話の舞台へ
- ・滞在しながら、スムーズにお詣り支度が整う宿
- ・まとめ
今も昔も変わらない大らかな癒やしに包まれ、エナジーチャージ
世界中のホテルスパを取材し、各地の健康や美のルーツを体験し続けている、トラベル&スパジャーナリストの板倉由未子さんが執筆するコーナー。
今年は日本各地に伝わる伝統美容や、その土地に根づく“おばあちゃんの知恵袋”的なウェルネスメソッドを、温泉やスパトリートメント、文化体験などから紐解いていきます。
その土地ならではの自然のパワーや癒やし、滋味あふれる食事についても探りながら、日本を一緒に旅してみませんか?
今回は、板倉さんご自身も節目節目で訪れているという、島根県・出雲。ご紹介するのは、2022年11月16日に開業したばかりの「界 出雲」です。
良縁をたぐり寄せるたおやかな神話の舞台へ
島根県中東部に位置する出雲には、古代史にも登場する神社など文化的な歴史遺産があふれ、神話的な空気に包まれています。 毎年旧暦の十月には、全国から八百万の神々が出雲に集結。人と人の縁についての会議(神議り)が行われるといわれ、縁と運命を司る大国主命を祀る出雲大社は大きな役割を担っています。日本有数の聖地・出雲には、縁結びのご利益を求め、多くの人々が訪れています。

出雲巡りの拠点としておすすめしたいのは「界 出雲」。目前に、日本一の高さを誇る日御碕灯台と日本海を望む風光明媚な岬に立つ温泉旅館です。徒歩圏内には、『出雲国風土記』にも登場し、素盞嗚尊(スサノオノミコト)と天照大御神(アマテラスオオミカミ)を祀る「日御碕神社」。また、毎年、八百万の神々をお迎えする「稲佐の浜」へは車で約10分。そして、出雲大社へも約20分で到着します。出雲で必ず訪れたい3つのスポットへのアクセスがよいのです。
滞在しながら、スムーズにお詣り支度が整う温泉宿

宿に一歩足を踏み入れると、日本海と沈む夕日をモチーフにしたやさしいブルーの壁面アートに遭遇。
眺めているうちに、心が穏やかになっていくでしょう。客室は、朝日と出雲松島といわれる海の景色を満喫するタイプと、夕日と日御碕灯台を堪能する2タイプがあります。どちらも、水平線をイメージしたヘッドボード、草木染や藍染めのクッションなど、ご当地の職人が手掛けた温もりを感じる作品が取り入れられています。

大浴場は、ドラマティックな海原を望む開放感が魅力。泉質は、中性のナトリウム‐塩化物強塩泉で湯冷めしにくく、冷え性にも最適です。海のように塩分濃度が高いことから、神社に詣でる前の“禊ぎ湯”となるでしょう。

夕食は、半個室の食事処で季節の会席料理を。11月から3月は、山陰名物の松葉蟹を満喫する「タグ付き活松葉蟹会席」がおすすめです。大国主命は、五穀豊穣の神であるダイコク様とも呼ばれていますが、メインの「活松葉蟹の豊年蒸し」はダイコク様のモチーフである稲わらで包み、俵型の器で提供されます。食後は、ご当地広場で、スタッフが演じる伝統芸能「石見神楽」を観賞。演目は、出雲の国を治める大国主命の息子が、稲佐の浜で国をかけて戦う「国譲り」の物語です。縁起のよい食事や迫力のある神楽に触れ、参拝への期待感が高まります。

翌朝は早起きし、光輝く朝日を浴びにかわたれテラスへ。ご当地楽広場で「稲佐の浜 神譲り体操」に参加してもよいでしょう。さらに温泉に入り心身を整えます。朝食では、神様と同じ食事を摂ることでご縁を結ぶ「神饌朝食」を注文することもできます(専用プランにて予約)。


まとめ
日常の喧騒から離れ、ドラマティックな出雲の大自然を愛でながら、禊となる温泉、縁起のよい食事、伝統芸能に触れる豊かなひととき。うさぎ年、出雲大社をお詣りし、大国主命と因幡の素兎(しろうさぎ)の「ご御慈愛の御神像」を拝めば、健やかに謙虚な心持ちで一年が過ごせるのではないでしょうか。
界 出雲
島根県出雲市大社町日御碕604
℡050-3134-8092(界 予約センター)
料金:1泊¥25,000~(2名1室利用時1名あたり、税・サ込、夕朝食付)
アクセス/出雲縁結び空港から車で約40分。JR出雲市駅より一畑バス「日御碕灯台」バス停から徒歩3分
https://hoshinoresorts.com/ja/hotels/kaiizumo/
トラベル&スパジャーナリスト
板倉由未子
Yumiko Itakura
『25ans』などの編集者を経て現職に。世界を巡り、土地に息づく癒やし、健康、食、文化をテーマに、各メディアで五感に訴える旅企画を提案&執筆。政府の国際機関や観光局、企業主催のセミナーなどでも、スピーカーを務める。また、イタリア愛好家としても知られ、『イタリアマンマのレシピ』(世界文化社刊)を構成&執筆。また、11月から始まった日本政府観光局のグローバルキャンペーンでは、リラクゼーション分野の専門家として、日本の癒やしについて語っている。Expert Insights Go Deep Into Japan
photos:Hoshino Resorts






