フルーツを食べる人 vol.14 アボカド

SUMMARY
  • ・アボカドの由来
  • ・ギネスブック栄養価の世界記録
  • ・アステカ、メキシコ、生産量世界1位
  • ・森のバターの秘密
  • ・温活的摂取方法

連載記事としてお送りしている”フルーツを食べる人”は今回で14回目の連載となりました。今回取り上げるのはアボカド。 その濃い緑色の果実に詰まったエッセンスに迫ります。
 
 
ワニのようなゴツゴツした表皮で別名「ワニナシ」と呼ばれるアボカド。その名は、古代アステカ語の「アーワカトル」に由来し、生命の源を意味する。
栄養豊富であることが特徴で、ギネスブックで世界一栄養価の高いフルーツとされる。
 
原産地は中南米とされ、メキシコのプエブラの洞窟で紀元前約1万年前にアボカドが存在した痕跡が発見されている。その後も14世紀頃にアステカが栽培していたことがよく知られる。
アステカはテスココ湖の小島に都市・テノチティトランを築いた。
高い水利工事の技術による土木工事と高い生産性を誇るチナンパ農法(※1)でテスココ湖南部を一大穀倉地帯とした。
肥沃な大地と高度な農業技術で、チョコレートや唐辛子、ピーナッツなどアステカ発祥の様々な食品が生産された。
 
アボカドもその一つだ。
 
そして、15世紀のスペインのアステカ侵略を機に、これらアステカ発祥の食品とともにアボカドもスペインに持ち帰られ、世界中に広まった。
アステカは滅亡したが、今でもメキシコでは多くのアボカドが作られ、生産量世界1位だ。
 
そんなアボカドは、大きな木に白や黄色の小さな花を咲かせ、ゴツゴツした皮の卵のような大きな実をつける。
果実の中でも種子が比較的大きいのも特徴だ。
これは、過去にアメリカ大陸で生息していたマストドンやメガテリウム、スミロドンなどの巨大動物に合わせて進化と考えられている。
巨大動物がその実を食べても種子は消化されずに排出されて、様々な場所に運んでもらうためだ。
 
その豊富な栄養は、巨大動物の貴重な栄養源にもなっていたことであろう。
 
豊富な栄養に高いカロリーで、森のバターとも呼ばれる。脂肪分を多く含んでいることからなめらかで、ペーストにすると緑色のバターのようになる。
カロリーが高い割に糖分をほとんど含まず、ビタミンやミネラル、食物繊維など栄養を豊富に含んでいる。
 
脂肪分のほとんどは不飽和脂肪酸であるオレイン酸やリノール酸、リノレン酸で、いわゆる「質の良い油」だ。(※2) オレイン酸は悪玉コレステロールを減らし、リノレン酸は血中中性脂肪を下げるなど生活習慣病を予防する働きがあるといわれる。
豊富な食物繊維は腸の働きを整え、有害物質や老廃物を体外に排出させる働きがあり、ビタミンB2は脂肪を分解するとされ、ダイエットによいという。アボカドの習慣的摂取は体重増加を緩和し、メタボリック症候群を患うリスクを低下させるとされる。
 
他に抗酸化物質のグルタチオンが豊富に含まれ、肝臓で働くことで飲酒・喫煙等によるアルコールやニコチンなど有害物質の解毒作用を促進するといわれる。
 
美容的には毛細血管を広げて血流を改善する働きが期待できる抗酸化物質のビタミンEを多く含み、血行をよくすることで冷え性や肌のコンディショニングにもいいとされる。
 
しかし元来温暖地域の果実であるため、性質としては陰性(体を冷やす)とされる。冬はあたたかい料理に加えてみたり、加熱することを留意して「温活」に活用して欲しい。
 
(※1)チナンパ農法は、沼地の表面の厚い水草層を切り取り、敷物のように積み重ねてつくった浮島の上に湖底の多くの養分を含んだ泥を盛り上げて作った湖上の畑のようなものを利用して栽培し、集約的に高い収穫を得ることができました。
 
(※2)「質の良い油」といわれる不飽和脂肪酸であるオレイン酸は他にオリーブオイルなどに豊富に含まれています。
 
(参考)
『アボカド/ウィキペディア日本語版』
『アステカ/ウィキペディア日本語版』
『チナンパ/ウィキペディア日本語版』

【編集後記/西川雅明】

アボカドは、日本ではカリフォルニアロールで有名になりました。
糖分が少なくあっさりした味は、毎日食べるのに向いています。
牛肉や豚肉など飽和脂肪酸を多く含む食品を食べると肝臓でコレステロールの合成が増えるので、その働きを抑える不飽和脂肪酸を含む食品を一緒に摂るのがよいとされます。サラダとして食事の始めに食べてみてはいかがでしょう。
 

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